<オーケーの歩み>
『発展期を迎える』《Ⅱ−1》
2004年4月1日以降、消費税の総額表示が義務づけられ、当社は本体価格と税込価格(銭まで表示)を併記する方法で対応することとしました。消費税の総額表示において、お客様にも損が無く、小売業者にも損が発生しない唯一の方法です。このことについてはチェーンストア協会に繰り返し説明しましたが理解が得られず、協会は『総額のみ表示する』ことを基本方針としたため、当社は残念ながら協会を退会しました。
総額表示が始まりました4月1日以降、客数が日を追って増えて参りました。本体価格と税込価格(銭まで表示)を併記する方法が『オーケーは誠実だな』とお客様に支持された結果です。お客様のためにならないと思ったら体を張ってでも反対する。同業他社では逆風になった消費税の総額表示が当社では追い風になりました。社会的な逆風には真っ向から取り組み、如何にして、これを克服するか、また順風は自らが創り出して会社の将来を如何に優位に導くか、貴重な経験をさせていただき有り難く存じております。
2000年4月、オーケーは消費税の円未満の端数処理方法について、税務当局を相手方として、最高裁判所に上告しておりましたが、2004年11月30日に『最高裁判所で審議する案件に該当しない』という理由で棄却の通知を受けました。『私たちの主張は決して間違っていない』と現在でも確信しておりますが、消費税の根幹にも影響を及ぼす案件で、国策を考えればやむを得ない結論かと存じます。棄却まで4年7カ月と異例とも思える長期にわたりご検討いただき、この時期に棄却の通知を受けました。『立法の不備を行政が補い、行政の不手際を司法が救う』といった誠に遺憾な結果と相成りましたが、『総額表示で充分な恩恵を受けたのだから、最高裁判所の件は、この方向で収めては』と神様がご指導くださいましたものと有り難く存じております。この経験があったからこそ、今回の総額表示問題に適切に対処し得たものと思います。